【AI活用】VRoid Studio・copainter・CLIP STUDIOを使ってコミック制作してみた

はじめに

こんにちは、エキサイト株式会社デザイナーの山﨑です。

エキサイトホールディングス Advent Calendar 2024 18日目は、山﨑が担当させていただきます。

qiita.com

今回は、VRoid Studio・copainter・CLIP STUDIO PAINTを用いてのコミック制作ついて、記して行きたいと思います。

AIを用いたコミック制作にチャレンジするまでの経緯

エキサイトでは、ウーマンエキサイトをはじめ、多くのコミックコンテンツを発信しています。

しかし、コミック制作には手作業が多く、時間やコストがかかるという課題がありました。

そこで、「AIツールを活用すれば、よりコミック制作の効率化が図れるのではないか?」という発想から、この挑戦がスタートしました。

今回の検証ポイントはこのようになります:

  1. 手作業の削減はどの程度可能か?
  2. 制作時間はどのくらい短縮できるか?
  3. 商業レベルのクオリティに達するか?

自分で絵を描かずにVRoid Studio、copainter、CLIP STUDIO PAINTを組み合わせて、どれほどスムーズにコミックが作れるか実際にやってみました!

ツールの説明

コミック制作に使用した主なツールを簡単に紹介します:

VRoid Studio:3Dキャラクターを簡単に作成できるソフトウェア。

vroid.com

copainter:ラフから線画を起こし、下塗り・着彩を行うAIイラスト制作支援ツール。

www.copainter.ai

CLIP STUDIO PAINT:プロ仕様のイラスト、漫画制作ソフトウェア。

www.clipstudio.net

今回の流れ:

  1. VRoid Studioでモデル制作
  2. copainterでモデルをコミック風イラストに変換
  3. CLIP STUDIO PAINTでセリフ入れや最終調整

セリフ入れ

まずは、CLIP STUDIO PAINTでコマ割りを作成し、セリフを入れていきます。(プロット〜ネーム部分は割愛させてください。)

モデル制作

登場人物は以下の3人です:

主人公(女性・黒髪ショート) 主人公の友達(女性・茶髪ロング) 主人公の彼氏(男性・茶髪ショート)

髪型・服装を見分けやすいデザインにしました。(似たような顔になることが多いので、髪色・髪型・洋服で差別化します。)

VRoid Studioでは、顔、髪型、衣装のセットが用意されており、簡単にモデルを作成できます。また、細かいカスタマイズも可能です。

さらに、VRoid用素材はBOOTH(pixivが運営するマーケットプレイス)からダウンロードして利用できます。

モデルにポーズを取らせる

VRoid Studioの強みは、モデルに表情やポーズを取らせた状態で写真を撮影できることです。 テンプレートモーションを使えば、自然な動きの瞬間をキャプチャすることができます。

このように、漫画のコマに沿ったポーズをモデルに取らせて写真を撮影していきます。

コミックイラスト化

撮影した画像をcopainterでコミックイラストに変換します。

copainterの「ペン入れ」から撮影した画像を入れ…

忠実度やその他の数値を調整すると…

コミックイラスト化できました。

このようにどんどんコミックイラスト変換して行きます。

泣き顔、頬を赤らめさせた表情にしたい場合は、画像の上に涙や頬に車線を加えるだけで、AIが自動で処理してくれます。

また、小物や背景は以下の方法で準備しました:

小物(財布など):CLIP STUDIO ASSETSから3Dモデルをダウンロード→スクショを撮影→copainterで出力。

背景:Adobe Stockから写真をダウンロード→copainterでコミックイラスト化。

イラストを合成

最終的に、作成したイラストをCLIP STUDIO PAINTでコマに組み込みます。 効果や文字入れを追加し、完成したのが以下の作品です:

検証結果

①手作業の削減はどの程度可能か? → 手作業の大部分である絵を描く必要がなくなるので大幅に削減できた。

ただし、セリフ入れや演出、モデルにポーズを取らせるスキルが必要になるため、完全な自動化は難しい。

②制作時間はどのくらい短縮できるか? → 約2~3時間で制作完了。従来なら8~10時間以上かかる作業を大幅に短縮できた。

③商業レベルのクオリティに達するか? → 出来上がりはかなり自然で、3Dモデルだと気付かれないほどのクオリティに仕上がった。

最後に

今回はモデルのポーズの取らせ方などは割愛してしまいましたが、今回の制作で、VRoid Studioやcopainterの可能性を実感しました!

最後に、エキサイトではデザイナー、フロントエンジニア、バックエンドエンジニア、アプリエンジニアを絶賛募集しております!

興味があればぜひ連絡よろしくお願いいたします!🙇

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