こんにちは!課金サービスのデザイナーのSAZUKAです。
技術書より推理小説のほうが好きなんですが、先日読んだ「UXライティングの教科書」という本がおもしろかったので紹介します。
UXライティングとは
「UXライティング」という言葉自体あまり浸透していないと思います。読んで字の如くですが一言で説明するとこんな感じ。
「言葉や文章によるユーザーに与える様々な経験」
UXデザイン=デザインによる経験、のように安易に理解されがちなんですが、実際はUXデザインはもっと広くて深い。カスタマージャーニーマップもユーザーアンケートもペルソナ作成なんかもUXをより良くするための手法です( ˘ω˘ )👆
だからUXライティングはUXデザインの中の1つだと考えるのが良さそう。
ボイス&トーン
参考書で何度も登場する「ボイス&トーン」という言葉があります。
ボイス:私たちの声が一人一人異なるのと同じように、ブランドやサービスも個性として一貫性を持つこと。
トーン:機械的ではなく人間味を持ったコミュニケーション、話し方。
いわゆるブランドやサービス自体の「ペルソナ」なのかなと思います。
いちばん腑に落ちたのが、オフラインで心のこもった接客を受ける場合、webサイトを訪れたときも同じように対人接客のようなおもてなしをするべきではという考え。
旅行先のホテルの接客はとても素晴らしいのに、申し込みサイトで全く歓迎する雰囲気のないページに無機質で機械的なテキストばかり並んでいたらギャップが生まれます。逆に予約時のボイス&トーンを高めれば満足度もアップします。
「一貫性」は重要である
紹介されていたIKEAはオフラインもオンラインも同じユニークさを感じます。私自身も足を運んだことがありますが、オンラインショップとのギャップや違和感を全く感じないほど一貫されていると思いました。
例えば節水アイテムの紹介ページは「歯を磨いているときは蛇口を閉めましょう。「ちりも積もれば山となる」です。」いうテキストが書いてありますが、もしこれが「このシリーズの蛇口は節水できます」になっていたら全くIKEAらしさはなくなってしまいますよね( ˘ω˘ ;)💦
自分が今デザインを担当している「エキサイトお悩み相談室」(カウンセラーに電話相談できるサービス)なら、たとえば登録画面では「一歩踏み出してみませんか」「カウンセラーに話してみましょう」などの言葉を一言添えるべきなのかもしれません。
自分がユーザーだったら(サイトに来たとき)どんな言葉をかけてほしいか、これは忘れてはならないので念頭に置いておきます( ˘ω˘ )👆
ボタンにはユーザーがやること(行動)ではなく、ユーザーが得るもの(価値)を伝える言葉を入れるべき
自分が関わっているデザインで1つ紹介。昨年の話ですが、当時エキサイトお悩み相談室のカウンセラー詳細ページには「相談受付中」ボタンというものがありました。機能としては、カウンセラーが待機していていつでも相談可能な状態を表すボタンです。
これはステータスではないのか?ステータスをボタンにして良いのか?とジョインしてからずっと違和感を抱いており、チームで話し合いの末「いますぐ電話相談する」に変え、ステータスは上部に持ってきました。
結果はものすごい成果が出たわけではありませんが、悪くないものでした(ここでは数字は割愛させていただきます)
旧デザインの「相談受付中」というのは私たちサービス側の都合であり「今受付てますよ〜!」と店の前で呼び込みをしているような状態です。
一方、新デザインは「いますぐ相談したい」というユーザーの意思をそのままボタンにしています。(「カウンセラーに話を聞いてもらう」という言葉も良さそうですね。長いけど。)
また、旧デザインは「相談受付中か…ということは相談できるということね!」とユーザーに考えるという作業を与えてしまうので直感的ではありません。
ユーザーが「そのとき何をしたいのか」「何を求めているのか」をWHYし続けると、意外と拍子抜けするくらいシンプルな言葉に辿り着くかもしれません。
他にも紹介したい事例はありますが長くなってしまったのでまた今度書きます。
最後に
余談ですが、この前「UXライティングの教科書」をベースにしたオンラインセミナーに参加しましたが参加者が200名超えで驚きでした。日本でも注目されつつあるけどまだ浸透していないので新しく勉強するのもオススメです👌