
こんにちは、エキサイト株式会社のデザイナーの山﨑です。
Excite Holdings Advent Calendar 2025 の8日目を担当させていただきます。
今回は、現在エキサイトが運営するメディア「ウーマンエキサイト」でチャレンジしている、AIコミックのイラスト制作方法についてご紹介します。
はじめに:AIコミックとは?
「AIコミック」とは、脚本や作画のプロセスにおいて生成系AIを活用して制作された漫画のことです。
今回は、実際にウーマンエキサイトで連載していた『家族より整った部屋が大事?』という作品を例に、その制作の裏側をご紹介します。
通常、漫画制作には多くの工程がありますが、今回は「脚本」が決まった後の「ネーム・生成・調整」の部分に焦点を当てて解説していきます。
1. ネーム制作
まずは「ネーム」の作成です。 一般的な漫画のネームとは異なり、この段階では絵を描き込むことはせず、セリフとト書き(付箋)のみで構成していきます。


この状態で編集部に提出し、構成のチェックをお願いします。ここでOKが出たら、AIによる作画フェーズに入ります。
構成のポイント
読者を飽きさせず、かつAIでの生成をスムーズにするために、以下の点を意識しています。
- 「ヒキ」を作る
- 記事のサムネイル画像としても使えるような、インパクトのある「ヒキ(興味を惹く)」になるコマを作ります。

- カメラアングルの使い分け
- AI生成だと単調なバストアップ(胸から上の構図)ばかりになりがちです。
- 読者が飽きてしまわないよう、意識的にロングショット・ミドルショット・アップショットを使い分ける指示を入れます。


他にも、吹き出しと吹き出しの間にキャラクターの顔を挟むことで、読者がスムーズにセリフとキャラの顔の表情が目に入るようになど構成に工夫しています。

2. 画像生成
ここが最も時間がかかる、制作のメインパートです。
AIで漫画を作る際、最大の課題となるのが「作画揺れ(キャラクターや絵柄の不統一)」です。これを防ぐために、プロンプト(指示出し)には工夫が必要です。
プロンプトの固定化
毎回、以下のプロンプトをベースとして入力することで、絵柄の統一を図っています。
セリフ・吹き出しなし 線は細め/少女漫画風/ノイズなし/白黒20%/60%グレー含む
表情のコントロール
プロンプトだけでは顔の造形や表情が毎回変わってしまうことがあるため、生成時は毎回「参考にしたい表情」の画像を添付し、それをベースに生成させることでキャラクターの一貫性を保っています。

3. 調整 〜 完成
生成された画像をつなぎ合わせ、漫画の形式に組み上げます。 一度完成したものを編集部に提出し、フィードバックをもらいます。
- 「この表情、もう少し悲しげに」
- 「ここの構図をわかりやすく」
といったコメントを元に、再生成やCLIP STUDIO PAINT等での修正(レタッチ)を行い、ブラッシュアップしていきます。
修正が完了すれば、無事完成です!
完成した漫画はこちらで読むことができます↓
おわりに
今回は、ウーマンエキサイトで取り組んでいるAIコミックの制作フローをご紹介しました。
ちなみに制作時間は、1日1~2話くらいできるので大体4〜5時間くらいになります。早い時は1話あたり3時間で終わることもあります。
生成系AIを使うことで、絵を描く時間を短縮できる一方で、「いかに意図通りの絵を出力するか」というディレクション能力や、構成力が重要になると感じています。
これからも新しい技術を取り入れながら、読者の皆さんに楽しんでいただけるコンテンツを作っていきたいと思います。