はじめに
2025年10月の一ヶ月間、エキサイト株式会社のBB事業部で就業型インターンシップ「Booost!!!」に参加させていただいた土屋啓太です。今回は、インターンで取り組んだことや学んだことを振り返り、紹介します。
自己紹介
東邦大学大学院修士1年の土屋啓太です。大学院では情報科学を専攻しており、複雑ネットワークと制御理論、グラフニューラルネットワークの研究を行っています。
技術領域としては、ソフトウェアとインフラの両方に興味があり、特にコンテナ技術や分散処理周りに関心を持っています。プログラミング言語としてはRustが好きです。
趣味は自宅サーバー、料理、読書です。
エキサイトのインターン以前の技術経験
研究・個人開発
大学院では複雑ネットワークと制御理論、グラフニューラルネットワークの研究に取り組んでいます。個人開発では簡単なWebアプリケーションを作成したり、自宅サーバーでインフラ周りの学習を進めています。
また、ハッカソンへの参加が好きで、これまで複数回参加してきました。ハッカソンでは主にバックエンドやインフラを担当することが多く、GoやTypeScript、AWSなどを使った開発を経験してきました。
インターンでやったこと
配属先・担当プロジェクト
BB事業部に配属され、社内向けのDB管理ツールの開発プロジェクトに参加しました。具体的には、事業に関する原価管理データの表示・検索ツールの新規開発を担当しました。
プロジェクトの背景
これまで、原価管理データの確認には既存の汎用データベース管理ツールを使用していましたが、頻繁に参照するデータであることから、専用の検索・表示ツールを開発することになりました。
実装した機能
【原価管理データ表示ツールの開発】
主な要件と実装内容は以下の通りです:
検索機能 - 契約ID、ユーザーID、日付(月単位)、データ区分、地域、カテゴリなど、複数の条件での検索機能を実装 - 異なるID体系間の相互変換機能(マスタテーブルとの連携) - 検索条件をGETパラメータで管理し、URLで検索結果を共有できる仕様
表示機能 - DataTableを使った見やすいデータ表示 - サーバーサイドでのページネーション機能(大量データへの対応) - 既存の汎用管理ツールへの編集リンク
テスト - 開発した機能に対するテストコードの作成
使用した技術スタック
技術的なチャレンジ
【初めての技術スタックへのキャッチアップ】
今回のインターンで最も苦労したのは、PHPとVue.jsという、これまで使ったことのない技術のキャッチアップでした。特にPHPのLaravelフレームワークは初めて触る技術だったため、フレームワークの思想や設計パターンを理解するのに時間がかかりました。
公式ドキュメントを読んだり、既存のコードベースを読み解きながら、少しずつキャッチアップを進めていきました。メンターの方にも質問をしながら、実装を進めることができました。
学んだこと
技術面での学び
【アーキテクチャの理解が深まった】
今回のインターンで最も大きな学びは、ソフトウェアアーキテクチャについての理解が深まったことです。
- MVCアーキテクチャ: Laravelを通じて、MVCパターンの実践的な使い方を学びました
- オブジェクト指向設計: 実際のプロダクトコードを通じて、オブジェクト指向の設計原則を学び直すことができました
- オニオンアーキテクチャ: レイヤー分けやドメイン駆動設計の考え方を知ることができました
- 依存性逆転の原則: 特に依存性逆転については、実装を通じて理解が深まりました。抽象に依存することで、テストしやすく、変更に強いコードを書けることを実感しました
これまで個人開発やハッカソンでは、アーキテクチャをあまり意識せずにコードを書くことが多かったのですが、実際のプロダクト開発では、保守性や拡張性を考えた設計の重要性を学びました。
【Laravel・Vue.jsの習得】
初めて触るLaravelとVue.jsでしたが、一ヶ月という短い期間で基本的な機能の実装ができるまでになりました。特にLaravelのEloquent ORMやルーティング、ミドルウェアの仕組みは、今後他のフレームワークを学ぶ際にも活かせる知識だと感じました。
【メンターとのコミュニケーション】
分からないことや詰まったことがあった際に、適切なタイミングで質問することの大切さを学びました。一人で悩みすぎず、早めに相談することで、効率的に開発を進められることを実感しました。
印象に残ったこと
メンターの方々が、技術的な質問に対して丁寧に教えてくださったことがとても印象に残っています。単に答えを教えるのではなく、考え方や背景にある設計思想まで説明していただけたので、深い理解につながりました。
また、実際に使われる社内ツールの開発に携われたことで、「誰かの役に立つものを作っている」という実感を持つことができ、とてもやりがいを感じました。
今後に向けて
インターンを通じて得た気づき
今回のインターンを通じて、アーキテクチャ設計の重要性を強く実感しました。これまでは「動くコード」を書くことに注力していましたが、「保守しやすく、拡張しやすいコード」を書くことの価値を理解できました。
また、Web開発における実践的なスキルセット(Laravel、Vue.js、Oracle DB)を身につけることができ、今後の開発の幅が広がったと感じています。
これから取り組みたいこと
- アーキテクチャの学習継続: 今回学んだクリーンアーキテクチャやドメイン駆動設計について、さらに深く学習したいと思います
- テスト駆動開発の実践: テストコードの重要性を学んだので、個人開発でもTDDを実践していきたいです
- PHP/Laravelの深掘り: 今回学んだLaravelをさらに深く学び、モダンなWeb開発のベストプラクティスを身につけたいです
- インフラとの統合: 好きなインフラ領域と、今回学んだアプリケーション開発を組み合わせて、フルスタックな開発ができるようになりたいです
おわりに
この一ヶ月間、エキサイト株式会社BB事業部の皆様には大変お世話になりました。実際の開発現場で働かせていただき、技術面だけでなく、チーム開発の進め方や、プロダクト開発における考え方など、多くのことを学ぶことができました。
特に、メンターの方々には技術的な質問だけでなく、キャリアについてのアドバイスもいただき、本当にありがとうございました。
このインターンでの経験を糧に、今後もエンジニアとして成長していきたいと思います。アーキテクチャやテストの重要性、チーム開発のプロセスなど、学んだことを今後の研究や開発に活かしていきます。
ありがとうございました!