過去最大規模の社内カンファレンス「Excite × iXIT TechCon」を開催しました!

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はじめに

エキサイトでエンジニアをしている おおしげ( @_ohshige ) です。
このたび、エキサイトHD(エキサイトとiXIT)の技術者向けの社内カンファレンス「Excite × iXIT TechCon」を開催し、大成功と言ってもいい内容となったのでご報告いたします。

これまでは勉強会やLT会といった小規模なものは開催されてきましたが、それを超える規模のものとしては初めての開催になりました。
これまでの勉強会等についてはこちらを御覧ください。

TechConの概要

開催の背景とか目的とか準備期間についてとか色々とお話する前に、まずはどのような会だったのかを軽く説明しておこうと思います。

参加者

エキサイトHDの技術職全員 (技術職以外の社員は任意参加)

開催時間

10:30-18:00

大まかな目的
  • エキサイトHD技術職の交流・横のつながり強化・技術成長
  • 外部カンファレンスに向けた練習の場
発表内容
タイトル
セッション 1 オブジェクト指向を知らないメンバーがいる中で、
クリーンアーキテクチャを目指した話
セッション 2 Docker環境がチームに浸透するまで
セッション 3 Spring Bootという強すぎるフレームワークについて
パネルディスカッション DBの設計とか運用ってどうやってる?
セッション 4 MobileAppGuildって知ってる?知らないの?!
セッション 5 宣言的UI時代のソフトウェア設計について考える
セッション 6 (非公開)
セッション 7 slackアラート攻略ガイド
セッション 8 個人的 AWS アップデートランキング
セッション 9 AWSへの移行 1年間の軌跡
LT 1 差分検出を利用したDBマイグレーション
LT 2 エキサイトブログをリビルドする
LT 3 接客態度とサービスイメージの良さの大切さ
LT 4 複数案件(環境)を抱える人向けの便利なDocker小技
LT 5 dotfilesのススメ
LT 6 (非公開)
LT 7 (非公開)
LT 8 さっくりみる、デザインの仕事
LT 9 終わらないSEOとの戦いと向き合うために
LT 10 初めてのバーチャル美肉
LT 11 FirebaseにLINE認証でアカウント情報を作成してみた

開催時間が7時間半で発表が全部で21もあり、技術職は業務として基本的に参加するということからも、規模と全社の巻き込み具合がわかるかなと思います。

開催の背景と目的

エキサイトHDでは技術組織活性のために動いているチームがあり、そこで様々な活動を行ってきました。上述した勉強会もそうですし、これまでこのブログでもいくつか紹介してきました。
今回のTechCon開催もその技術組織活性の一環であり、技術組織活性チームで作り上げたものです。

ブレストレベルの「エキサイトカンファレンスって面白そうだよね」というただただ好奇心と思いつきだけで最初の案が持ち上がりました。
定例としてゆっくり動き出したのが8月なので、約7ヶ月もの期間を使って準備を進めていたことになります。
もちろん最初のうちはブレストベースだったりでそこまで詰め詰めの会議であったわけではないですが、振り返ってみると結構長い時間をかけて準備をしていたんだなといまさら実感しています。

技術組織活性

f:id:KAJIJI_Design:20220227133337p:plain 技術組織活性の一環として始まったものなので、根幹の目的は「技術組織の活性」です。
もう少し具体的に言うと、横のつながりを強化するために他部署のエンジニアが何をしているかを知って、インプット・アウトプットすることで技術的な成長を促すということです。

横のつながりについては、エキサイト内の他部署同士という意味もありますが、エキサイトとiXITの交流という意味合いも強くあります。
2020年8月にエキサイトがiXITの株式を取得してグループ会社化し、今現在同じオフィスで働いている(コロナ禍でリモートワーク中心ではありますが)のですが、エキサイトとiXITの交流が盛んに行われているともなかなか言えない状況でした。 f:id:KAJIJI_Design:20220227133422p:plain

外部カンファレンスへの登壇の練習

そして、もう1つの目的は「外部カンファレンスへの登壇の練習」です。

弊社はこれまで様々なカンファレンスに協賛させていただいてきました。
協賛させていただくことでカンファレンスの成功に貢献できることは光栄なことではありますが、やはりエキサイトから登壇者をもっと出したい(せめてプロポーザルを出したい)という思いがあります。
とは言え、人前で発表するのはとても緊張しますし、準備も大変です。こんな発表でいいんだろうかと考えてしまったり、ネタが無いと思ってしまったり、そうして登壇まで至らないという現状です。

そこで、外部カンファレンスへの登壇の足がかりとして練習の場として、思いっきり社内を巻き込んでしまえというのがもう1つの目的です。
完全に身内だけなので外部カンファレンスほど緊張はしないですし、内容もいつもの小規模なLT会ではなく大規模なカンファレンスっぽいものとすることで外部カンファレンス登壇のハードルを越えるお手伝いを目指しました。

開催にあたって工夫した点

開催するにあたって工夫した点はたくさんありますが、基本的に上述した目的を達成できるように様々なことをやりました。

大きくわけると以下の2点に注意して、様々な工夫を凝らしました。

  • 多様性
  • 本番さながらであり練習台

多様性

技術組織活性につながるように、横のつながりをより強固なものとするために、これまでのLT会とは一線を画するように、多様性はかなり重視しました。
これまでのLT会などはどうしても決まったメンバーが発表しているような感じでしたが、この多様性をかなり意識することで、最終的に今回のカンファレンスでは様々なメンバーにスポットを浴びせることができました。

まず、登壇者の部署・職種・職歴・性別はバラバラになるようにかなり注意深く配慮しました。
最終的には、新卒1年目から技術マネージャーまで幅広く、バックエンドエンジニア・アプリエンジニア・インフラエンジニアだけでなくデザイナーや企画職まで多くの職種があり、もちろん各部署から最低1名は登壇しました。

さらに、登壇以外の方法で技術メンバーにスポットを当てるために、各発表をいくつかのブロックに分けて、それぞれのブロックに司会者を立てました。
この司会者は運営スタッフから選ぶのではなく、そのブロックの内容について把握できるメンバーでありながらも部署・職種・職歴・性別に多様性が出るようにしました。

さらには、発表内容が多様になるためには様々なプロポーザルが提出されないといけない(後述しますが、発表内容はプロポーザルを提出してもらいその中から選出する方式でした)ので、プロポーザルの提出具合をGoogleフォームとスプレッドシートとGASとSlackを使って匿名にした上で見える化し、プロポーザル提出の相乗効果を狙いました。 f:id:KAJIJI_Design:20220227133512p:plain

本番さながらであり練習台

最終的には外部カンファレンスで登壇してもらうために今回のカンファレンスはその練習台となれるように工夫しました。

そのための一番の工夫としては、空気感づくりです。
可能な限り外部カンファレンスと同じような体裁となるようにすることで、より本番に近い環境での練習になるようにしました。
そのために、発表内容はスタッフで指名して作り上げていくのではなく、プロポーザルを提出してもらいスタッフはその中から選出してタイムテーブルを作っていきました。
また、本物に近い雰囲気の醸成のために、カンファレンス専用のサイトやノベルティなど様々なものをつくりました。
f:id:KAJIJI_Design:20220225103753p:plain デザイナーさんには運営スタッフとしてがっつり入っていただき、専用サイト・ロゴ・スライドマスター・Zoom背景・Tシャツ・ステッカーなどをつくり、より本物のカンファレンスかのような仕上がりとなりました。
このような工夫をすることで、緊張感も出て良い空気感となりました。

また、本番さながらな空気感のなか何かに失敗してしまうと良くないので、失敗を極力下げるために手厚いサポートをして、さらに発表者の労力を可能な限り減らすようにしました。
上述の通り、スライドマスターやZoom背景をあらかじめ用意しておくことで、発表者には資料の内容に集中してもらうようにしました。
また、当日はウェビナーを使った開催だったのですが、画面共有やマイク・カメラに慣れ当日焦って失敗してしまわないようにするために、登壇者全員に対して事前に接続テストを実施しました。 司会者もスタッフではないメンバーなので、台本は綿密に練って事前に渡しておき、打ち合わせをすることで、進行に詰まってしまわないように注意を払いました。

さらに、せっかく忙しい合間を縫って発表の準備を進めてもらっているので、それに感謝しながらもさらに外部カンファレンスでも生かせるように、参加者にはしつこいほどに発表者へのフィードバックを促しました。
フィードバックフォームを用意し、あらゆる発表終わりにフィードバックを書いてもらうよう促し、カンファレンス終了後にそれらフィードバックをすべてお渡しするということを行いました。

開催当日

様々な準備を行ってカンファレンス当日を迎え、多少トラブルもありましたが無事に開催することができました!

カンファレンス開催の様子
カンファレンス開催の様子

エキサイトHD全体で技術職は80名ほどいるのですが、参加者は95名にも及びました。
全社に対して告知していたので企画職や営業職の方などもたくさん来ていただけたようで、技術職だけでない横のつながりの強化になったのではないかなと思います。
ウェビナーのコメント欄も常時動いており、大変盛り上がったのですが、すっかりその様子を撮影するのをわすれていたのが悔やまれます。
また、接続テストや台本を綿密に準備したため発表者も司会者にスムーズにすすめることができ、参加者からのフィードバックも発表者はとても喜んでくれました。

実は、一番良かったセッションを投票で決める「ベストスピーカー賞」、一番良かったLTを投票で決める「ベストLT賞」、たくさんフィードバックをしてくれた参加者に対する「ベストフィードバック賞」を用意しており、表彰のときはとても盛り上がりました。
ベストスピーカー賞はオンプレからAWSへの移行の軌跡を大変面白く発表してくれた『AWSへの移行 1年間の軌跡』、ベストLT賞は徹夜でバ美肉を実現し披露してくれた『初めてのバーチャル美肉』、そしてベストフィードバック賞は内定者として参加していた学生が受賞しました!
ベストフィードバック賞を内定者が受賞するとは思ってなかったのですが、本当にたくさんのフィードバックをしてくれてとても真剣に聞いてくれたということが伝わってきました。
多様性を示す良い例にもなったかなと思います。

『AWSへの移行 1年間の軌跡』の発表の様子
AWSへの移行 1年間の軌跡

『初めてのバーチャル美肉』の発表の様子
初めてのバーチャル美肉

カンファレンスの最後にアンケートをとったのですが、95.6%の参加者が満足したと回答してくれました。
また、以下のような大変ありがたいコメントもたくさんいただきました!

  • 他の部署のやっていること、知らない技術分野について知ることができてよかったです。
  • 外部登壇への挑戦のきっかけになりました!
  • 運営がとてもしっかりしていたので、発表者側で参加していて不安なく発表に集中できました。ありがとうございます!
  • 色んなジャンルの話を聞けてよかった。全員の発表のクオリティがとても高かった!運営もとてもスムーズで素晴らしかったです。
  • 次回はぜひ外部に向けた発表もしてほしいです
  • 自分がプロポーザルを出さなかったことを後悔しました

開催してみて、展望

初めての試みでしたが、総じて大成功でした!
これもすべて、質の高い発表をしてくれた発表者・パネリスト、うまく回してくれた司会者、コメントで盛り上げフィードバックもたくさんしてくれた参加者、半年かけて準備をしてくれたスタッフ、全員がしっかりと噛み合ってできたおかげかなと思います。

「多様性」で様々な種類の発表になり、「本番さながらであり練習台」を目指したために質が担保された発表になったのだと思いますし、社内限定だったからこそハードルが高くなりすぎずに日頃の成果を出せたのではないかと思います。

せっかく第1回が成功したのでぜひ続けていきたいところですが、次回はまだ未定です。
この規模で続けるのであればおそらく頻度としては年に1回が限界だと思うので、半年後の動きに期待です。
今回はコロナ禍ということもありオンラインでの開催でしたがオフラインでの開催も目指したいですし、他社様でたくさん開催されているように社内限定ではなく社外に向けた開催も考えていきます。

そして、これを機に、様々なカンファレンスに私を含めて弊社員が挑戦してくれるのではないかと思っていますし願っています。